中津名物・鱧

中津名物・鱧

中津名物・鱧

1600年、細川忠興・忠利父子が39万9千石の藩主として中津に入城します。
1604年、忠興は今井浦(現在の行橋市今井)から腕利きの漁師たちを強制的に中津市小祝に移住させ、その結果、他の地方ではあまり食されない鱧がさかんに食されるようになります。そして、中津の料理人たちの手で次々に新しい鱧料理が開発され、中津の漁獲高は飛躍的に向上していきます。

このことは、中津近海の漁にも大きな影響を及ぼし、粉島(山口県徳山市)の漁師たちの間では「はも漁、、はもの骨切りの開祖は豊前中津小祝の漁師たちだ」という口伝が残されています。なかでも「はもチリ」は中津の多くの人々に深く愛され、「はもチリ」を食べるお膳のことを「チリ台」と呼ぶほどでした。以下のことから、中津での「はもチリ」発展の理由がうかがえます。

  • 各家庭に「橙」の木が植えられ、秋口、橙酢をしぼり保存していた(チリ酢)
  • 俗謡に高瀬にんじん、湯屋ねぶか、相原だいこん、和間はくさいと唄いこまれていた(チリ材料)
  • 藩庁が生産制限を出すほど豆腐の消費量が著しかった
  • 醤油は甘口が主流な九州の醤油に比べ、少し塩味が強くなりました(チリに最適)
「中津の味 鱧」をご笑味ください

大分県中津市の特産物「鱧(はも)」。

大分県中津市の特産物「鱧(はも)」。

大分県中津市の特産物「鱧(はも)」。
高級魚としても知られるこの魚は、全長1~2メートル程度の細長い姿で鋭い歯を持つ海水魚です。中津城二代目城主細川忠興が中津入城の際、今井浦より漁師達を中津市小祝に移住させ、鱧がさかんに食されるようになりました。

瀬戸内の漁師の間でも、「はも漁や、はも骨切りは中津小祝の漁師が開祖」との口伝が残されています。
中津では家々に橙の木が植えられ、冬祭りの日に地元産の野菜と共に 「はもチリ」がさかんに食されました

女性にもオススメ!夏のヘルシーな鱧料理

女性にもオススメ!夏のヘルシーな鱧料理

鱧と言えば夏の味覚として欠かせない味として有名です。
その大きな理由として夏場は水分を多く含むため脂肪分が少なくさっぱりした味を楽しめるからです。
今回、大分大学の教育福祉科学部の調査により、鱧の一般成分の季節変動が発表されました。

2005年1月~2005年12月
豊前海で漁獲された鱧の成分表(一部抜粋)

2005年1月~2005年12月 豊前海で漁獲された鱧の成分表(一部抜粋)

1月 2月 3月 4月 5月 6月
体長(cm) 97 87 127 81 95 92
水分含量(%) 76.5 78.1 76.5 77.9 77.7 76.2
脂質含量(%)
上:腹/下:背
2.0
1.0
2.8
1.2
3.1
1.6
1.5
1.1
2.2
1.1
1.5
1.2
7月 8月 9月 10月 11月 12月
体長(cm) 114 132 101 68 73 79
水分含量(%) 77.3 79.2 79.2 78.1 77.3 75.7
脂質含量(%)
上:腹/下:背
0.8
0.6
1.4
1.0
1.2
1.0
1.5
2.1
2.0
2.5
2.9
2.8

さっぱりの夏

  • 梅雨の水を飲んで育つ
  • 水分を多く脂質が少ない
  • 季節を通して体重が一番重い

脂が乗りコシのある冬

  • 産卵後で食欲が旺盛
  • 脂質がもっとも多い
  • 水分と体重は最も少ない

名前の由来

「食む(はむ)」がその名の由来になったという説もあるようです。
実際、性格は極めて獰猛で、その鋭い歯を使いいったん噛み付くと身体をねじって暴れだし、離そうとしません。

  • 学名Muraenesox cinereus
  • 分類ウナギ目ハモ科ハモ属
  • 全長~2m程度

調理方法

調理方法

その調理は大変です。
鱧の場合、活けじめ・血抜き・腹側から開き・背びれ抜き・ 皮の表面のヌメリ取りを行ってやっと、骨切りができる状態になります。しかも小骨が極めて多いため、皮を切らずに身を小骨ことミリ単位で刻みをいれる「骨切り」という技術が必要です。

それゆえ素人にはなかなか手に負えず、職人・板前の腕の見せ所となっています。

はもの味

はもの味

鱧はウナギ目に属します。
ウナギやアナゴは脂ののった濃厚な味が魅力ですが、鱧は味わい深く上品で淡泊な味が魅力です。鱧には脂分が多くない代わりに、旨み成分であるアミノ酸がより多く含まれているからです。

さっぱり、あっさりとしているのに旨いのはアミノ酸が多く含まれているおかげですね。その凶暴な姿・調理の難しさとは裏腹に、白身の淡白な上品な味わいで、クセもなく美味しい魚です。